グルーヴ四原則とは
この書では全編を通して4つのグルーヴする原則の存在を説明します。この4つの原則とは何でしょうか。まずこのグルーヴ四原則の全体像を見てみます。
グルーヴ四原則
リズムには四つの要素があります。
- 強拍先行 と 弱拍先行
- 頭合わせ と 尻合わせ
- 強拍基軸 と 弱拍基軸
- 2⁻ⁿリズム と 3⁻ⁿリズム
このように4つの要素はそれぞれ対立した要素になっています。
これをグルーヴ四要素(The Four Axes of Groove)と呼びます。
グルーヴ四条件
音楽にグルーヴを感じる時、それは必ず
- 弱拍先行
- 尻合わせ
- 弱拍基軸
- 3⁻ⁿリズム
になっている…という法則があります。
これをグルーヴ四原則(The Four Principles of Groove)と呼びます。
つまり如何にして、弱拍先行、尻合わせ、弱拍基軸、3⁻ⁿリズムの4つを体得するかがグルーヴを身につける為の焦点となります。
縦乗り四条件
海外の文脈から、日本人の音楽が醸し出すリズムは、しばしば 堅苦しい、躍動感がない、四角い、息遣いが感じられない、ニュアンスがない、スイングしない、毎回着地する、 好みに合わない、機械的、アニソンみたい、ゲーム音楽みたい などと評されます。それは必ずしも否定的な見解として発せられる訳ではありませんが、クラシックやジャズなど海外の地場文化として評価される場面では、しばしば人々の眉をひそめさせているものです。
これらの日本的リズムは必ず
- 強拍先行
- 頭合わせ
- 強拍基軸
- 2⁻ⁿリズム
になっている…という法則があります。
これを縦乗りの四原則(The Four Principles of Groove)と呼びます。
何故日本人は縦乗りなのか、その理由に関しましては何故日本人は縦乗りなのかで詳細を見ていきます。
ではどのようにしたら縦乗りを克服することが出来るのでしょうか。それがこのこの書全編の目的でもあります。縦乗りを克服する長い道のり=律武道 について今後長い時間を掛けて見つけ出して行きます。
強拍先行と弱拍先行
音符が導音などの形となって2つの組となって表れた時、その組みが常に弱拍からはじまることを弱拍先行と呼びます。
音符が導音などの形となって2つの組となって表れた時、その組みが常に弱拍からはじまることを強拍先行と呼びます。
或いは、音符が2つの組みとならず単独で表れた時も 強拍先行 と呼びます。
日本人は弱拍先行で構成されたのリズムを耳にすると、それが理解できず混乱するという特徴があります。このことを縦乗りと呼びます。 日本人が何故縦乗りになるのかに関しましては、何故日本人は縦乗りなのか で詳細を見ていきます。
強拍先行と弱拍先行 とは何かに関しましては、強拍が先か弱拍が先かで詳細を見ていきます。
強拍先行と弱拍先行は、グルーヴの本質に関わっています。立体的に響くグルーヴの本質はリズムの多次元性にあります。弱拍が先行するリズムでは異なる音価が高さという新しい軸としての役割を持つため多次元構造を持ちます。しかし強拍が先行するリズムでは、全てのリズムが重なり合ってしまうため異なる音価が新しい軸を生み出さず、結果としてリズムが多次元構造を持ちません。多次元構造をもたないリズムは平面的な印象のリズムになります。
このリズムの多次元性に関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
そして何故 強拍先行と弱拍先行 が起こるのかに関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
頭合わせと尻合わせ
メロディーが必ず小節内の特定の拍数目(≒1拍目)から始まり、はっきりした終わりがないリズム構成を頭合わせといいます。
メロディーが特にはっきりした特定の位置がなく不定期に始まり、必ず小節内の特定の拍数目(≒1拍目)ではっきりと終わるリズム構成を尻合わせといいます。
日本人は尻合わせ構成のリズムを耳にすると、それが理解できず混乱するという特徴があります。このことを縦乗りと呼びます。 日本人が何故縦乗りになるのかに関しましては、何故日本人は縦乗りなのか で詳細を見ていきます。
頭合わせと尻合わせ とは何か。そして何故 頭合わせと尻合わせが起こるのかに関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
強拍基軸と弱拍基軸
スイングやシャッフルを演奏しようとした時に、強拍の位置が常に固定となり、毎回同じ位置に表れ、弱拍の位置を強拍からの相対距離として測りながら移動することでスイング・シャッフルのニュアンスを表現しようとする時、これを強拍基軸と呼びます。
強拍基軸は、一瞥すると当然と考えられるかも知れません。しかし実際の海外の演奏者は逆の認識を持ってリズムを演奏しています。
スイングやシャッフルを演奏しようとした時に、弱拍の位置が常に固定となり、毎回同じ位置に表れ、強拍の位置を弱拍からの相対距離として測りながら移動することでスイング・シャッフルのニュアンスを表現しようとする時、これを弱拍基軸と呼びます。
強拍基軸リズム認識を持っている人が、弱拍基軸を見た時にそれを異端として排除したり、社会的な制裁を加えたりすることを、弱拍天動説 と呼びます。
リズムを客観的に捉え弱拍基軸のリズム認識を理解した上で合理的に受け入れることを強拍地動説と呼びます。
強拍基軸 と 弱拍基軸 に関しては、弱拍天動説と強拍地動説 で詳細を見ていきます。
2⁻ⁿリズムと3⁻ⁿリズム
スイングやシャッフルなどの3連符系のリズムを演奏する時だけでなく、8ビート16ビートなどのリズムを演奏する時も含めて、3拍子や3を基準にしたポリリズムを多用したり、リズムのずれニュアンスが必ず1/3 、1/9 、 1/27 などの 3の負のべき乗の大きさに収束するなど、リズム感覚が3に根ざしている人のリズムを 3⁻ⁿリズムと呼びます。
───この 3⁻ⁿリズム がアフリカのリズムやケルト・ゲール等々の欧米のフォークソングの本質に存在します。
スイングやシャッフルなどの3連符系のリズムを演奏する時だけでなく、8ビート16ビートなどのリズムを演奏する時も含めて、常に2のリズムに根ざし、3拍子や3を基準にしたポリリズムを多様せず、リズムのずれニュアンスが必ず1/4 、1/8 、 1/16 などの 2の負のべき乗の大きさに収束するなど、リズム感覚が2に根ざしている人のリズムを 2⁻ⁿリズムと呼びます。
───この 2⁻ⁿリズム は日本のゲームミュージックやアニメソング等々日本のあらゆる西洋音楽の影響を受けた音楽全ての本質に存在します。
3⁻ⁿリズム とはどんな音かにつきましては、世界は3⁻ⁿ拍子で出来ている でそれを実際に聴いてみます。
3⁻ⁿリズム と 2⁻ⁿリズム につきましては、3⁻ⁿグルーヴと2⁻ⁿグルーヴ で理論的な詳細を見ていきます
2⁻ⁿリズム とはどんな音かにつきましては、何故日本人は縦乗りなのか でいくつかのサンプルを用意しております。
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